研究課題/領域番号 |
06772069
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
化学系薬学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
赤井 周司 大阪大学, 薬学部, 助手 (60192457)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1994年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 制癌抗生物質 / フレデリカマイシンA / 8-ヒドロキシイソキノロン / p-スルフィニルフェノール / Pummerer型転位反応 / p-キノン / ipso-置換反応 / チオシアナト化反応 |
研究概要 |
フレデリカマイシンA(1)は、制癌活性が強く、かつ変異原性が無く、また、2つのペリヒドロキシ三環性芳香環がスピロ四級炭素を介して直交する極めて興味深い構造の化合物であるため、世界中で活発に合成研究が行われているが、光学活性な1の合成例は未だ皆無である。申請者は昨年、1の構造の半分(DEF環部分)の短工程な合成に成功し、本年度は、その不斉全合成を目標に、研究実施計画に基づき研究を行った。 1.先のDEF環構築の際に開発した3-アシル-2ピリドン類の分子内[4+2]環化付加反応を、種々の置換基を有する化合物に応用し、8-ヒドロキシイソキノロンの一般合成法を確立した。 2.1の残り半分(ABC環部分)の合成において、B環部フェノール構造のp-位への直接的な水酸基の導入が困難であったので、p-スルフィニルフェノール類の(2)のPummerer型転位反応による酸素官能基の新導入法の開発を検討した結果、2をトリフルオロ酢酸無水物で処理すると、予期したPummerer型転位反応が進行し、p-キノン体が高収率で得られることを見出した。一方、2のシリルエーテル類を同様に酸無水物で処理すると、この場合は、Pummerer型反応と還元的脱硫反応が一挙に進行し、スルフィニル基が水酸基にipso-変換して定量的にジヒドロキノン化合物を与える全く新しい反応を見出し、上記問題点の優れた解決策を得ることができた。更に、フェノール類のp-位選択的チオシアナト化反応を開発し、これらの基質(2)の汎用的な合成法を確立した。 現在、これらの知見に基づき、絶対配置の明確な光学活性四級炭素を有するDEF環部分を合成し、次いで2.の方法で、光学活性な1の全合成研究を遂行中である。
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