研究課題/領域番号 |
06772077
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
化学系薬学
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研究機関 | 昭和大学 |
研究代表者 |
永田 和弘 昭和大学, 薬学部, 助手 (20208010)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1994年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | スーパーオキシド / 化学発光 / ビベンズイミダゾリウム塩 |
研究概要 |
スーパーオキシドは、水と激しく反応し過酸化水素と酸素を発生するが、有機化合物に対する反応性は低い。筆者は、スーパーオキシドが持つ1電子還元作用に着目し、還元電位の高い基質とスーパーオキシドとの反応を検討した。その結果、含窒素芳香族四級塩がスーパーオキシドに対する反応性の高いこと、及び、-1.50V(vs.SCE)より高い還元電位を有する基質であればスーパーオキシドと反応することを明らかにした。更に、求核剤に対して複数の反応部位を有する複素還四級塩を基質とすることにより、過酸化水素、及び水酸化物イオンでは得られない、スーパーオキシドに特異的な生成物を得ることに成功した。2、2'-ビベンズイミダゾリウム塩は、2位、及び2'位炭素が親電子活性を有し、スーパーオキシドとの反応においてはジオキセタン中間体を経由する可能性が考えられた。実際に暗室でKO_2との反応を行うとジオキセタンの開裂時に発すると考えられる化学発光が観察されたため、ルミノメーターを用いて発光量を測定した。2、2'-ビベンズイミダゾリウム塩の0.1mM DMSO溶液100μlとKO_2の1.0mM DMSO溶液80μlを混合した場合の発光量は、230,177counts/minであった。KOHの1.0mM DMSO溶液80μl、及び、H_2O_2の1.0mM DMSO溶液80μlを反応させた場合の発光量は、それぞれ95counts/min、17counts/minであった。このように、2、2'-ビベンズイミダゾリウム塩とスーパーオキシドとの反応の際に検出される化学発光は、有機溶媒中においてスーパーオキシドに特異的であることが示された。この結果は、2、2'-ビベンズイミダゾリウム塩が選択性の高いスーパーオキシド検出試薬となる可能性を示唆しており、現在、生体内で発生するスーパーオキシド検出試薬としての実用性に関して水溶液中でも同様に特異性が示されるか否かを検討中である。
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