研究概要 |
1',2'-不飽和ウリジン1に対して塩化メチレン中ピバリン酸の存在下、NBS(N-ブロモコハク酸イミド)を反応させた結果、親電子付加体の4種の立体異性体2-5が得られた(Table 1,Entry1)。目的化合物2を主成績体として得るためにはβ-anti-選択的な反応が必須である。そこで反応溶媒を種々検討した結果、エーテルを用いた場合に最も高いβ-面選択性(β/α=4.9/1,Entry 5)が得られた。更にピバリン酸をトリエチルアミンで解離させ、その求核性を高めるとanti/syn=99/1となった(Entry 7)。Entry 7の条件で反応を行った後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで粗精製するだけで、鍵化合物2を結晶として60%の収率で得ることができるようになった。 次に2に対して有機ケイ素化合物あるいは有機アルミニウム試剤を反応させると臭素原子の隣接基関与により立体特異的な求核置換反応が進行し 1-炭素置換ウリジン 6を得ることができた。
|