研究課題/領域番号 |
06772086
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
化学系薬学
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研究機関 | 京都薬科大学 |
研究代表者 |
村上 啓寿 京都薬科大学, 薬学部, 講師 (00210013)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1994年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 制法 / 沢瀉 / 甘茶 / alisol / thunberginol / orientalol / sulfoorientalol |
研究概要 |
漢方医学では、薬用動植物や鉱物に由来する新鮮材料や採集品に加工調製(制法)を施して、一定の規格に適合した品質の薬材(生薬)が医療に供されている。生薬類の制法の過程では、特異的な化学変換反応や制法時に賦活される酵素系により触媒される反応により制法前の原材料には認められなかった化合物が生成することが考えられる。そこで、著者は、漢方生薬制法時の化学過程の解明研究に着手した。まず、利水作用を目的とする漢方方剤に繁用されている生薬沢瀉については、基原植物であるサジオモダカ新鮮塊茎の成分を詳細に検討した結果、制法時にgerm acrene Cから利水作用との関連がある膀胱平滑筋収縮抑制作用を有するセスキテルペン類orientalol類およびsulfoorientalol類が生成していることを明らかにした。また、抗高脂肝作用を有するトリテルペンalisol類についても、HPLCによる定量法を開発応用することにより、制法時に11位不活性メチレンの酸化、エポキサイドの開環、2重結合の酸化、アシル基の転移等の種々の化学過程の存在することを見出した。 また、日本特産の生薬甘茶については、基原植物アマチャの葉部の詳細な成分解析を行い、制法を施すことによりジヒドロイソクマリン配糖体類が加水分解をうけ、甘味成分phyllodulcinが生成し甘味を呈することや、phyllodulcinやhydrangenol等のジヒドロイソクマリン類の芳香化や水酸化が起こり、抗アレルギー活性を有するthunberginol類が生成することにより抗アレルギー作用が発現することを明らかにした。さらに、その過程でアマチャ葉からセコイリドイドにジヒドロイソクマリン前駆体が縮合した極めて珍奇な構造を有する抗アレルギー成分hydramacroside類を見出した。
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