研究概要 |
マウスL32rpmRNAのポリピリミジン配列と特異的に結合し,このポリピリミジン配列を欠損したL32rp-mRNAには結合しないタンパク質:p56^<L32>の分離を行った。約30頭分の牛リンパ筋を精製の出発材料とし、細胞抽出物を超遠心分離、続いて、硫酸アンモニウム沈殿により分画した。更に、3頭分毎に核酸カラムであるoligo d(T)-celluloseおよび等電点・ラウリル硫酸ナトリウムの2次元ポリアクリルアミドゲル電気泳動で分画した。ゲル中のタンパク質をニトロセルロース膜に移し,^<32>P-標識したRNAを用いてノースウエスタンブロットの解析を行ったところ、等電点9〜10に分子量47kDaと3種の分子量44kDaの活性が認められ、タンパク質量は各々約1μgであった。このうち3種の分子量44kDaのタンパク質は、リン酸化の価数もしくは数個のアミノ酸の違いによるアイソザイムであると考えられた。それらの活性の特異性はポイント変異RNAへの結合が見られないことで確認された。各タンパク質のアミノ末端のアミノ酸配列の解析を試みたが、アミノ末端が修飾を受けているらしく、アミノ酸配列の決定には至らなかった。そこで、マウスにこれら4種のタンパク質を免疫したところ、分子量47kDaのタンパク質に対してのみ、免疫交差性のある血清が得られた。現在、ミエローマ細胞と免疫交差性を示したマウスの脾臓細胞を融合し、モノクローン抗体を調製中である。
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