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β遮断薬のシトクロムP450自殺基質としての作用機構と肝初回通過代謝における意義

研究課題

研究課題/領域番号 06772125
研究種目

奨励研究(A)

配分区分補助金
研究分野 生物系薬学
研究機関千葉大学

研究代表者

桝渕 泰宏  千葉大学, 薬学部, 助手 (10209455)

研究期間 (年度) 1994
研究課題ステータス 完了 (1994年度)
配分額 *注記
900千円 (直接経費: 900千円)
1994年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
キーワードプロプラノロール / シトクロムP450 / CYP2D / デブリソキン / 代謝的活性化 / 自殺基質 / ミクロゾーム / 肝灌流法
研究概要

β遮断薬プロプラノロール(PL)をラットに5日間経口投与し、肝ミクロゾーム画分(Ms)を調製した。同Msの薬物代謝酵素活性を、P450各分子種の特異性の高い基質を用いて測定したところ、PL連続投与により、PL4、5、7位水酸化、デブリソキン4位水酸化等、CYP2D酵素の関与する活性が選択的に低下した。一方、Western blot法により各P450分子種含量を測定したところ、CYP2D酵素を含む測定したいずれの分子種についてもPL連続投与による顕著な含量低下は認められなかった。このことかPL連続投与により、CYP2D酵素が選択的に、しかも含量変動を伴わずに活性低下することが示され、同酵素の不活性化が示唆された。そこで、精製CYP2D酵素を含む再構成系を用いて、PLの阻害効果を検討したところ、同酵素のPL4、5および7位水酸化活性は、NADPH存在下においてのみ、PLとの反応時間に伴い、一次速度に従って低下することが示された。また、同条件で^3H標識PLの代謝物のタンパクへの共有結合が認められ、SDS-PAGEにより、結合タンパクは主にP450自身であることが示された。さらに、CYP2D酵素の活性低下は、同酵素に対する共有結合量と良く対応していることから、CYP2D酵素により生成した活性代謝物が同酵素の活性部位に共有結合し、不活性化すること、即ち、PLがCYP2D酵素の自殺基質となることが示唆された。次に、ラット肝灌流法を用いてPL代謝を測定したところ、PL連続投与したラット肝では、定常状態下におけるPLの肝除去率が顕著に低いこと、またこの肝除去率の低下は、肝MsのPL代謝kineticパラメータから定量的に予測しうることが示された。この結果から、PLによるCYP2D酵素の不活性化は、PLを含むCYP2D酵素の基質となる薬物の初回通過代謝に影響を及ぼす可能性が示された。

報告書

(1件)
  • 1994 実績報告書
  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Yasuhiro Masubuchi: "Role of the CYP2D subfamily in metaboliom-dependent covalent binding of propranolol to liver microsomal protein in rats" Biochemical Pharmacology. 48. 1891-1898 (1994)

    • 関連する報告書
      1994 実績報告書

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公開日: 1994-04-01   更新日: 2016-04-21  

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