研究課題/領域番号 |
06772141
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生物系薬学
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研究機関 | 岐阜薬科大学 |
研究代表者 |
出屋敷 喜宏 岐阜薬科大学, 薬学部, 講師 (00202193)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1994年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | ジヒドロジオール脱水素酵素 / キメラ酵素 / 構造機能相関 |
研究概要 |
既にクローニングされている2種のヒト肝ジヒドロジオール脱水素酵素(DD2およびDD4)のcDNAを用いて、野生型酵素とそのC末端側構造(39残基)を相互に置換したキメラ型酵素の発現プラスミドを作製した。次に、各発現プラスミドで形質転換し、発現誘導した大腸菌の粗抽出液中のジヒドロジオール脱水素酵素活性を測定し、野生型およびキメラ型酵素の発現を確認した。 野生型酵素に関しては、電気泳動的に単一にまで精製し、分子量、基質特異性、阻害剤感受性等は肝臓由来の各酵素とほぼ同じであることを明らかにした。キメラ型酵素に関しては、硫安分画およびゲル濾過クロマトグラフィーの操作で得られた部分精製標品について、DD2とDD4の触媒特性を比較するのに有効な化合物を用いて、基質特異性、阻害剤感受性および活性化剤の影響を検討した。C末端側構造の置換により、インダノール基質に対する立体選択性が高まり、アンドロステロンやリトコール酸に対する親和性は低下した。DD2が高い阻害剤感受性を示す_0-フェナンスロリンとの相互作用には、DD2のC末端側構造よりN末端側部分の方が強く関与していると推測された。DD4が高い阻害剤感受性を示すデキサメタゾンに対しては、DD4のN末端側とC末端側の双方の構造が相互作用すると考えられた。DD2を阻害し、DD4を活性化するブロモスルホフタレインはキメラ型酵素のいずれをも活性化したので、C末端側構造とブロモスルホフタレインとの相互作用が基質の酵素分子への配向に影響することが示唆された。以上のように、リコンビナントDD2およびDD4ならびにそれらのキメラ型酵素を発現し、キメラ型酵素が各野生型酵素と異なる触媒特性を示すことを見い出した。今後、精製標品を用いた反応速度論的解析によりDD2とDD4の構造機能相関が解明されるものと考える。
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