研究課題/領域番号 |
06772151
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生物系薬学
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研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
唐澤 健 帝京大学, 薬学部, 助手 (50186029)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1994年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | PAF / 酸化リン脂質 / 動脈硬化 / PAF-アセチルヒドロラーゼ |
研究概要 |
本研究では、酸化ストレスにより産生されるPAF様酸化リン脂質の同定を行い、これらの酸化リン脂質の動脈硬化症をはじめとする血管病変における役割を明らかにすることを目的とした。まず、我々が既に作製した抗PAF抗体を用いて動脈硬化症患者より調整された病理標本を免疫組織化学的に解析した結果、動脈硬化巣の脂質蓄積部位が染色されることが示された。従って、動脈硬化巣にはPAFもしくはPAF様生理活性を示すリン脂質が蓄積している可能性が考えられる。更に、これらの酸化リン脂質の構造を明らかにし、その定量法を開発するために、SuccinoylPAFに対する抗体を作製しようと試みた。SuccinoylPAFに対する抗体を作製するための抗原を合成するにあたり、抗PAF抗体の場合と同じように、グリセロール1位のアルキル鎖末端にキャリアータンパク質との結合を可能にする官応基を導入しようとしたが、グリセロール2位のSuccinoyl基には遊離カルボキシル基が存在するため、目的の化合物を合成することは困難であった。そこで、このカルボキシル基を利用して、牛血清アルブミンと結合させた人工抗原を用いて、得られたウサギ抗血清の反応特異性を調べたところ、SuccinoylPAF以外のコリンリン脂質との交差反応性が観察され、SuccinoylPAFの化学構造が認識されていないことが分かった。今後、この酸化リン脂質に対する特異的抗体を得るための抗原を分子設計する際には、グリセロール2位のカルボキシル基を遊離状態にしておく必要があると思われた。一方、酸化リン脂質の代謝調節機構を明らかにするために、酸化リン脂質の分解酵素である血漿PAFアセチルハイドロラーゼの構造解析を実施した。既に、我々はモルモット血清よりこの酵素を単一に精製することに成功しているが、リジンエンドペプチダーゼ処理によって得られたペプチドフラグメントのアミノ酸配列を数カ所明らかにすることができた。現在、これらの部分アミノ酸配列を基に合成したオリゴDNAをPCRプライマーに用いて、cDNAクローニングを行っている。
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