研究課題/領域番号 |
06772154
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生物系薬学
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研究機関 | 東邦大学 |
研究代表者 |
佐藤 光利 東邦大学, 薬学部, 講師 (60231346)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1994年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 受容体 / 平滑筋 / 収縮機構 / 細胞内情報伝達 / Ca^<2+>感受性 / プロテインキナーゼ / ミオシン軽鎖 / G-蛋白質 |
研究概要 |
受容体を介したCa^<2+>感受性調節機構に関与する細胞内情報伝達系研究の一環として、α_1-アドレナリン受容体サブタイプ(α_<1A>およびα_<1B>)を介した収縮におけるCa^<2+>感受性増加機構を明らかにした。本年度は特に血管平滑筋に焦点をしぼって実験を行った。 1.家兎胸部大動脈摘出切片を用いた細胞内Ca^<2+>濃度の測定および収縮実験 細胞内Ca^<2+>濃度([Ca^<2+>]i)と収縮張力との関係をfura-2/AMを取り込ませた標本を用いて調べた。完全活性薬のノルエピネフリン(NE)および部分活性薬のクロニジン(Clon)で[Ca^<2+>]i(R340/380)と張力の間にはそれぞれ直線性が得られ、収縮に対するCa^<2+>利用率はNEよりもClonの方が大きかった。さらに、クロロエチルクロニジン処理標本(α_<1A>-受容体のみが存在する標本)ではNEのCa^<2+>利用率は未処理標本に比べ有意に大きかった。ミオシン軽鎖キナーゼ阻害薬のKT5926(10^<-5>M)およびK252a(10^<-6>M)はClon(3×10^<-6>M)よりもNE(3×10^<-8>M)の収縮を強く抑制した。クロロエチルクロニジン処理標本ではKT5926およびK252aによる抑制は未処理標本と比較して有意に小さかった。 2,ミオシン軽鎖のリン酸化量の測定 NE(10^<-5>M)によって45.2%のミオシン軽鎖がリン酸化され、一方Clon(10^<-4>M)は24.8%のミオシン軽鎖がリン酸化され、完全活性薬の方がリン酸化量が多かった。 これらの結果より、NEはα_<1A>-およびα_<1B>-受容体サブタイプを介してミオシン軽鎖のリン酸化に依存しない経路とミオシン軽鎖のリン酸化に依存した経路の両方を活性化して収縮に対するCa^<2+>感受性増加を起こすのに対し、Clonは主にα_<1A>-受容体サブタイプを介してミオシン軽鎖のリン酸化に依存しない調節経路をより活性化して収縮に対するCa^<2+>感受性増加を起こしていることを明らかにした。
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