研究課題/領域番号 |
06772167
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生物系薬学
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研究機関 | 関西医科大学 |
研究代表者 |
宮澤 恵二 関西医科大学, 医学部, 講師 (40209896)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1994年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 肝細胞増殖因子 / HGF activator / プロセシング / 肝障害 |
研究概要 |
肝細胞増殖因子(HGF)は、肝障害後の肝再生に重要な役割を果たすと考えられている増殖因子である。昨年度までの研究によりHGFは正常肝では一本鎖前駆体(不活性型)として分泌されるが、障害肝ではプロセシングされて二本鎖型(活性型)に変換されることを見い出している。また、HGFを二本鎖型に活性化する新規のセリンプロテアーゼをヒト血清より精製し、肝細胞増殖因子活性化酵素(HGFactivator;HGFA)と命名した。本研究では、肝障害に応答したHGFの活性化にHGFAがいかに関与するかについて、ラットを実験動物として解析した。 ラット血清からHGFAを精製し、ヒト由来のHGFAと同様の性質(比活性・阻害剤感受性)を持つことを確認した。この標品を用いてヒトHGFAに対する8種類のモノクローナル抗体との反応性を検討し、酵素活性を中和する抗体(p1-4)、および還元条件下でのイムノ・ブロッティングに使用可能な抗体(A-1)を見いだした。HGFAは血漿中などでは96kDaの不活性型、また血清中ではおもに34kDaの活性型として存在する。正常および障害肝におけるHGFAの存在状態を検討するため、臓器抽出液からP1-4固定化抗体カラムによりHGFAを部分精製し、イムノ・ブロッティングにより解析した。肝障害のラットの肝臓からはHGFAの活性型が検出されたが、正常ラットおよび腎障害ラットの肝臓からは検出されなかった。この事実はHGFAが障害肝におけうHGFの活性化に関与する可能性を強く示唆する。実際、障害肝のホモジェネートにはHGFを活性化する酵素活性が誘導されるが、上述のP1-4抗体によりこの活性が80%以上阻害された。したがってHGFAは、障害肝においてHGFを活性化するキ-・エンザイムであることが明らかになった。
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