研究課題/領域番号 |
06772173
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生物系薬学
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研究機関 | (社)北里研究所 |
研究代表者 |
清原 寛章 社団法人北里研究所, 東洋医学総合研究所, 室長 (70161601)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1994年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 漢方薬 / 十全大補湯 / ペクチン様多糖 / 経口投与 / 抗体産生調節活性 / シスプラチン / 副作用軽減作用 |
研究概要 |
漢方処方の一つである十全大補湯は、免疫系を調節することにより病態を改善しているが、その薬効発現に対する多糖成分の役割については明らかとなっていない。本研究では十全大補湯のペクチン様多糖の経口投与による抗体産生系への影響について検討し、十全大補湯の薬効発現に対するペクチン様多糖の役割について以下の結果を得た。 1.十全大補湯のペクチン様多糖(F-5)を正常マウスに経口投与した結果、ヒツジ赤血球に対する抗体産生能が増強されたが、その作用は弱いものであった。 2.十全大補湯は免疫系の抑制された病態に用いられることから、T細胞機能が減退した加齢マウス及びマクロファージ機能の低下したモデルマウスの抗体産生系に対するF-5の経口投与の影響について検討を行った。その結果F-5は両マウスの抗体産生系を正常レベルにもどし、helper T細胞並びにマクロファージ機能を回復させることが明らかとなった。 3.広く抗癌剤として用いられているシスプラチンの免疫抑制作用に対するF-5の軽減効果について検討を行い、F-5がシスプラチンの抗体産生抑制作用を軽減することを明らかとした。更にシスプラチンは腎毒性などの重篤な副作用を有しているが、F-5はスプラチンの腎毒性を軽減することも明らかとした。 以上の結果から、十全大補湯の薬効発現にペクチン様多糖が必須成分として重要な役割を果たしていることが明らかとなった。本成果は現在、Planta Medicaに“Effect of oral administration of a pectic polysaccharide fraction from a kampo(Japanese herbal)medicine‘Juzen-Taiho-To'on antibody response of mice"及び“Protective effect of oral administration of a pectic polysaccharide fraction from a kampo(Japanese herbal)medicine‘Juzen-Taiho-To'on adverse effects of cis-diamine dichloroplatinum"のタイトルで投稿中である。
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