研究課題/領域番号 |
06772187
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
医薬分子機能学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
影近 弘之 東京大学, 薬学部, 助手 (20177348)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1994年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 芳香族アミド / シス型優先性 / 動的NMR / 層状化合物 / レチノイン酸 / レチノイド / 核酸認識分子 |
研究概要 |
芳香族アニリド類において二級アミドが結晶および溶液中でトランス体をとるのに対し、N-メチル化して得られる三級アミドはシス型を優先する。この現象は芳香族ウレア類でもみられる。芳香環上に置換基を有する化合物の構造解析(X-ray)により、シス型優先性の一般性を明らかとし、詳細なNMR解析によりその動的挙動を解明した。 このシス型アミド・ウレア結合は芳香環を層状に位置づける有用な官能茎であり、これらを組み合わせることでユニークな結晶構造を有する化合物の創製ができる。不斉中心を持たない光学活性アミド誘導体や多層体芳香族ウレア化合物について動的NMRを用いて、溶液中での特異な立体挙動を明らかとした。 また、シス型ウレア骨格に適当な極性官能基等を導入することにより、目的分子と特徴的に相互作用を有する化合物の創製が可能である。今回核酸誘導体(ピス・シトシル誘導体)と水素結合しうるピリジルウレア誘導体をデザイン・合成し、このシス型優先性が高親和性複合体を生じさせることを示した。この結果は核酸分子を塩基特異的な認識する化合物へと応用可能である。 アミドのシス型優先性をみいだすに至ったビタミンA研究においてall-trans-レチノイン酸と、最近注目されている9-cis体の誘導体としてトランスおよびシス型アミドを導入したジエナミド誘導体を合成し、その活性を評価した。その結果トランス型ジエナミドがレチノイド活性を示すのに対し9-cis-レチノイン酸に対応するシス型ジエナミドは活性を示さなかった。
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