住民参加による介護支援体制作りを目指し、介護意識調査実施地区で、以下の活動を行い、住民の介護を含めた高齢者支援意識を高め、実際の行動化を促す支援方法を検討した。 1.地区内公立小学校と協同した啓蒙教育 (1)児童や親の高齢者理解と支援意識 「親子福祉教室」を実施し、全児童55人とその親37人を対象に、作文・アンケートで捉えた。(1)児童の高齢者理解や支援意識 低学年では老人に対する感想が主であったが、中学年以上では、生きる姿勢に注目して理解し、祖父母など身近な老人に支援できる事を具体的に考え、実施する等、啓蒙教育が支援を促すきっかけとして効果があった。(2)親の支援意識 子供や家族と支援について話し合ったり、健康な老人も支援対象となることに気付き、身近な老人を想定し、支援内容を考えたりしていた。 (2)高齢者との生活実態調査 (1)の結果を親に返しながら、アンケートにて捉えた。同居世帯では、両親とも正社員としての仕事を持つ人が多い。高齢者が家事や子供の世話等、家の仕事を役割として担っており、このことが両親の就業を支えていることが確認できた。また、同居していない世帯でも、同居世帯と同様に老人を大切にする教育を行っていた。 (1)(2)を通し、保健婦が接点を持ちにくい30〜40歳代への働きかけが可能となり、さらに、教員に対し学校教育で地域での支え合いについて考える動機付けとなった。 2.地区内での高齢者支援を考える「集い」の実施 福祉担当課、社会福祉協議会、小学校などの地区内関連機関、住民代表者と協同で、事前の高齢者同居世帯全数訪問での個別援助と参加勧奨により、住民21人の参加を得て「集い」を実施した。その過程で、各機関の支援に関する意識が把握できると同時に、地域作りの目標の共有のもとに、各機関の立場に応じた活動目標と役割が明確化し、多側面からの地域作りの基盤が形成された。
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