本当の病名を知らされていない悪性疾患患児に対する病気の説明について、患児の母親に面接を行いその現状を知り、白血病や悪性リンパ腫のような悪性疾患と診断された患児と家族に対する援助について考えることを目的として調査・研究を計画した。 対象:本当の病名を知らされていない悪性疾患患児の母親。患児の年齢は問わないが、小児科外来に通院中で、現在の状態が完全寛解中または治療が終了しているものとする。 調査方法:文献や血液・腫瘍科専門の医師の話より、悪性疾患患児に対する病気の説明の実際を把握する。その情報を参考にし、現在外来受診をしている患児の母親に対しての面接ガイドを作成する。外来受診時に何回か話をして面識ができた時点、または母親のほうから患児に対しての病気の説明の話がでた時点で、調査の依頼をし面接を行う。面接時は承諾をとってカセットテープに録音し後日紙面に移す方法をとる。 調査施設:千葉大学医学部附属病院小児科外来。 調査期間:調査施設では数年前より血液腫瘍科外来に参加しており、対象となる患児や母親との面識は少しずつできている。面接は平成7年2月から行っており、今後も調査は継続していく。 調査結果:現在までに2ケースの面接を行った。2ケースとも本当の病名は話していないが、治療や処置について、母親は子どもがわかるように説明をしており、病名についてもいずれ本人に話すという考えを持っていた。1ケースでは、診断後子どもに病名を話すか話さないか迷い誰かに相談したかったと話しており、医療者は親がいろいろなことを選択するときに抱く様々な気持ちを把握し、一緒に考えていく必要性を改めて感じさせられた。
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