アマランサスの種子(Amaranthus hypochondriacus K-343)1.4kgを乳鉢で粉砕し、塩化メチレンにて浸漬後、吸引濾過し、エバポレーターで濃縮を行なった。この操作を4回繰り返して塩化メチレン抽出物を得た。続いてアセトン、メタノールにおいて同様にして抽出を行ない各抽出物を得た。塩化メチレン抽出物に関しては、シリカゲルを用いたカラムクロマトグラフィー(ヘキサン-塩化メチレン-酢酸エチル系)を行い、25のフラクションを得た。このうちの7つのフラクション(ヘキサン-塩化メチレン[1:1]溶出区分2フラクション、酢酸エチル5%溶出区分1フラクション、酢酸エチル10%溶手区分1フラクション、酢酸エチル20%溶出区分1フラクション、酢酸エチル30%溶出区分2フラクション)と各抽出物(塩化メチレン抽出物、アセトン抽出物、メタノール抽出物)について、リノール酸を基質とした水-アルコール系で抗酸化活性を測定した。7つのフラクションのうちの2フラクション(酢酸エチル20%、30%溶出区分)とアセトン抽出物には天然の抗酸化化合物α-トコフェロールよりも強い抗酸化活性がみられ、また塩化メチレン抽出物と2フラクション(ヘキサン-塩化メチレン溶出区分、酢酸エチル30%溶出区分)にも酸化の開始を遅らせる効果があることがわかった。これら活性を有するフラクションについて補助金により購入したHPLCを用いて分析を行なったところ、多数のピークが検出され、抗酸化活性を有する成分の存在が確認できた。現在、各フラクションについて精製を行なっており、今後さらに、オープンカラム、分取HPLCを組み合わせて精製を行ない、単離した成分について、各種機器分析による構造解析と各単離成分の抗酸化活性を測定する予定である。
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