研究概要 |
ナック社のハイスピードビデオを2台使い、全日本学生卓球選手権上位選手を被験者として各種条件で行われる試技を毎秒200コマで3次元撮影しVHSビデオテープに記録した。この映像資料からラケット各部に装着されたマークを及びボールをデジタイズし、D,L,T,法にて座標変換しバイオメカニクス的分析を行った。実戦的な条件(ロボットマシン等から送球されるボールでなく被験者のサービスから始まる試合形式の練習)内での極めてボールスピードの速い成功試技から、コースをきめ100球連続してミスなく打球する練習時の確率最優先の打球試技まで被験者の打ち出す球速とそのインパクト時のラケット角度について重点的にデーターを集めた。ラケット角度については、鉛直軸上方をさすベクトルとラケット面を打球方向に垂直に貫くベクトルのなす角度をもって定義した。 1)インパクト時のラケット角度は各被験者とも高速のボールを打ち出す時ほど小さい値を示す傾向があった。しかし、同じドライブ系ボールの打球に関しては、確率重視の打球と最高速の打球時のインパクトのラケット角度の差は最も大きい被験者でも5度以内であった。 2)インパクト0.1秒前からインパクトにかけて各被験者ともラケット角度を減少させながらスイングしインパクトをむかえるが、ラケット先端の速度を上げ高速のドライブボールを打ち出そうとすほどこのインパクトへ向けて速度を上げ高速のドライブボールを打ち出そうとするほどこのインパクトへ向けてのラケット角度の減少は著しいものになる。(最高の球速を記録した被験者の試技では37.9度の減少を示した。) この他、詳しい結果を含めドライブ系ボールの打球のインパクト時のラケット角度の調整力の向上が重要であることが示唆された。
|