本研究の目的は、スポーツ指導において、空間的予測と時間的予測のいづれを優先的に学習させるべきかを明らかにすることである。 実験課題は、テニスのフォアハンドストロークとした。 被験者は、硬式テニス未経験の大学生女子20名(2群×10名)とした。 手続きとして、空間的予測を優先させる群には、ラケットを持っていない手のバックハンドで、ボールをキャッチさせる練習を行わせた。一つのコースのキャツチが安定してくると、コースを少しずつ変えて、同様の練習を行った。時間的予測を優先させる群には、被験者のほぼ正面に向かってくるボールに対し、フォアスイングして、自分の身体の前方でヒットさせることを練習した。一定のスピードボールに対し安定してヒットしてくると、ボールのスピードを少しずつ変えて、同様の練習を行った。いづれも、30分×3日の練習を行い、4日目に、50球の多様な、スピードとコースのボールに対するテニスを行った。 実験結果は、2方向からのカメラの撮影を時間が同期するように制御しながら行った。したがって、3次元の解析が可能である。 残された問題は、結果の処理である。打ち返したボールの落下地点や、打球速度といったパフォーマンスで評価していくのが、従来の方法であるが、その方法ではスポーツ指導への応用という点での限界を感じる。そこで、打球時において、同様のスピードと高さをもつ試行を選び、足先と打球点の位置関係、打球時のラケットの角度や、スイングの軌跡の安定といった観点からの分析が必要と考えられる。現在、ビデオの動作分析中である。
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