研究課題/領域番号 |
06780072
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
体育学
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研究機関 | 名古屋工業大学 |
研究代表者 |
村上 太郎 名古屋工業大学, 工学部, 助手 (10252305)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1994年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | ミトコンドリア数 / ミトコンドリアDNA / チトクロームb mRNA / 持久的トレーニング / ラット |
研究概要 |
【目的】持久的な走トレーニング、骨格筋ミトコンドリアの数、酸化系酵素活性およびミトコンドリア遺伝子の発現に及ぼす影響についてラットを用いで検討した。【方法】8週齢のSprague-Dawley系雌ラット42匹に、トレッドミルで毎分25mの速度で1日90分間、週5回の走トレーニングを3、6および12週間負荷した。最終トレーニングの24〜26時間後にラットをエーテル麻酔し、下大静脈脱血による屠殺の後にヒラメ筋を摘出し、たたちに凍結クランプした。ミトコンドリアの標識酵素であるクエン酸合成酵素、ユビキノール-チトクロームc酸化還元酵素およびチトクローム酸化酵素の活性を、分光学的方法により測定した。ミトコンドリアDNAにコードされているチトクロームbのmRNAをNorthern blot法により、また、ミトコンドリアDNAをWilliamsらの変法によって定量した。さらに12週間トレーニング群のヒラメ筋のミトコンドリアの数を、筋の超薄切片の電顕像から単位面積あたりの数として算出した。【結果】3、6および12週間の走トレーニングによって、ヒラメ筋のクエン酸合成酵素活性(28〜47%増加)、ユビキノール-チトクロームc酸化還元酵素活性(57〜77%増加)およびチトクローム酸化酵素活性(25〜32%増加)は有意に上昇した。また、チトクロームbmRNAもこれらの酵素活性と同様の上昇を示した(25〜53%)。一方、ミトコンドリアDNA量は、3および6週間の走トレーニングでは変動しなかったが、12週間の走トレーニングによって有意に増大した(35%)。また、12週間トレーニング群のミトコンドリア数は、ミトコンドリアDNA量と同様の増大を示した。これらの結果より、比較的短期間のトレーニングは、骨格筋におけるミトコンドリアたんぱく質の合成を翻訳前の段階で増大させるのに対して、長期間のトレーニングは、ミトコンドリアの複製を増大させることが示唆された。
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