本研究では、運動場面の予測に影響を及ぼすと仮定される環境認知と身体内部認知を条件として取り上げ、両条件を独立変数として、従属変数として予測値、実測値、運動の軌跡を3次元解析(DLT法)により測定された。 方法 被験者;大学生10名、課題;一定距離離れた前方を横切るボールを蹴る課題 条件;環境認知条件-スピート条件(高さ2m、1.5m、1mからボールを転がす) 身体内部条件-外的拘束条件(両足をひもで縛る) 実験デザイン;環境認知(3)×身体内部(2)の2要因繰り返し計画 測定手続き;DLT法を用いてビデオ収録画面から全ての測定値は計測された。 結果 予測行動に関する手続き的知識はプロトコル分析を通して分析され、それをもとに予測行動モデルが構築された。よってこのモデルの妥当性を検討する意味でも独立変数の予測への影響度を検討した。 予測の正確さについては、(実測値-予測値)の絶対値から判断すれば、身体内部の有り条件の方が正確さは劣る傾向がみられる。またスピード条件については、1.5m条件の時が最もずれが大きかった。 運動の軌跡については、大きく2つの軌跡パターンがみられる。ひとつは上部が凸で、もう一つは凹の右上がりの曲線軌跡パターンである。さらに、中間地点における微妙な修正活動がみられ、その傾向は身体内部条件の時に大きいと思われる。
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