• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

熱による岩石の風化過程に関する基礎的研究

研究課題

研究課題/領域番号 06780147
研究種目

奨励研究(A)

配分区分補助金
研究分野 自然地理学
研究機関日本大学

研究代表者

藁谷 哲也  日本大学, 文理学部, 助手 (30201271)

研究期間 (年度) 1994
研究課題ステータス 完了 (1994年度)
配分額 *注記
900千円 (直接経費: 900千円)
1994年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
キーワード日射風化 / 塩類風化 / 花崗岩 / 砂岩 / 凝灰岩 / ひずみ
研究概要

本研究では,物性の異なる4種類の岩石を対象に野外でひずみ変化を観測し,岩石の熱風化の可能性を探ることを目的としている。当初,観測は1994年7月から始める計画であったが,試料の採取や試料の物性値測定などに手間取ったことと,観測期間を2年間に延長したため,12月からの開始となった。このため,研究の完了は1996年冬以降にずれ込む見通しとなった。今年度これまでに行ってきた結果は,以下のようにまとめられる。
1.実験に用いた岩石試料は花崗岩,硬質砂岩,凝灰質砂岩,凝灰岩の4種類である。花崗岩は加波山産で真壁町の石材店,硬質砂岩は笹野層産で八王子市の採石場,凝灰質砂岩は稲子沢層産で鋸南町の採石場,凝灰岩はつくば市内の石材取扱店からそれぞれ調達した。
2.これら試料の強度を調べるため,圧縮試験と引張試験を筑波大学で実施した。その結果,圧縮強度,引張強度はそれぞれ花崗岩が,1199kgf/cm^2,84kgf/cm^2,硬質砂岩が2163kgf/cm^2,248kgf/cm^2,凝灰質砂岩が153kgf/cm^2,14kgf/cm^2,凝灰岩が97kgf/cm^2,17kgf/cm^2であった。
3.一方,各岩石について観測用試料(高さ5cm,直径5cm)を作製して5種類の溶液(H_2O,Na_2SO_4,MgSO_4,Na_2CO_3,CaSO_4)を含浸させ,自然乾燥後それぞれの試料にごとに弾性波速度を測定した。溶液による弾性波速度の違いは,顕著には認められなかった。
4.溶液を含浸させた試料は,表面にひずみゲージと熱電対を貼り付けて日本大学文理学部7号館(東京都世田谷区)の屋上に設置し,リモートスキャナーを用いて1時間間隔でデータを観測した。試料の風化条件は,a)日射だけを受ける条件,b)日射と湿度変化を受ける条件,c)日射,降水,風の変化を受ける条件の3タイプである。なお,ひずみと温度の観測期間中は,同時に日射量・降水量・気温・湿度の気象観測と1カ月ごとに降水のpHの測定を行った。
5.1995年12月からの観測の結果,a)の条件の試料には温度変化に対応したひずみ変化が認められた。また,b)の条件の試料では表面に塩類の析出が生じた。c)の条件の試料のうち凝灰岩の試料では,直径3mm程度のピットが表面に生じた。b),c)の条件の試料におけるひずみ変化はa)とほぼ同様であるが,物性値には何らかの変化が生じていると推測される。

報告書

(1件)
  • 1994 実績報告書

URL: 

公開日: 1994-04-01   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi