コンピュータリテラシー、情報活用能力、メディアリテラシーなど、社会の変化に対応できる力をつけていくことが緊要の課題である。そこでこれらの概念を練り上げ授業モデルを開発することを本研究の目的とした。 本研究を進めるにあたって次の2つの問題に直面したため、本年度は必ずしも目的にそった研究成果は得られていない。1つはソフトウェアの入手である。発売元はその発表よりも6ヶ月発売が遅れた(LOGO)。そのため開発が大幅に遅れた。今一つは、教師の意識の問題である。苦手意識ばかり先に立ち、協同歩調をとろうとする学校、特に学級担任制の小学校、においては、大きな課題であった。 本研究では、これまでの試行錯誤の末、情報技術(IT)を全体カリキュラム開発の中に、統合するというアプローチをとることとした。その仮説として昭和20年代のコアカリキュラムを発掘することが有効だということである。その中で到達した結論は、健康をコアとしたカリキュラム開発である。飼育(ヤギ)や栽培など長期に渡って展開が可能かつ他の様々な教科にも拡がりをもつ中でこそ、ITは教師に活用され、その有効性とともに限界をも学べるということである。その一部は、平成6年度本学附属小学校1年1組の公開研で発表できた。 今後は、コアとなる素材を学校に探し求め、それをキャラクターしていくカリキュラム開発の必要性を学校として確認していくことになるが、一部は実践に移されつつある。この方向は、今後のSmalltalkなどオブジェクト指向・エイジェント指向の学習環境に十分対応していけるものとして考えられる。
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