本研究では、学校現場で多く利用されているフレーム型CAIにおいて、授業で実施したコースウェアとその際に収集された学習記録をもとに、評価情報を授業者にフィードバックするシステムを開発し、コースウェアの設計/授業実施/評価のサイクルを系とした授業研究の手法を学校現場に普及することを研究の目的とした。 1)学校現場においてコースウェアが多く自作されているにも関わらず、学習記録が授業研究に役立っていない理由として、(1)授業評価を前提としたコースウェア開発が行われていないこと、(2)学習記録を授業に生かした具体的な実践例が少ない、(3)学習記録分析の教師のための支援システムの貧弱さを挙げた。 2)先行研究から学校現場で役立つ方法を抽出し、学習記録分析支援システムを開発し、上記(3)を解決した。 3)学校現場において、授業評価を前提としたコースウェア開発(上記(1))を依頼し、実際にCAI授業を行った。これを実践報告(上記(2))として日本教育工学会研究会で発表した。 4)学校現場への普及を図るために、次の3点を行った。 ア:学校現場でもっとも多く利用されているFCAIに、このシステムを標準添付して配布した イ:都立教育研究所での教員研修で具体的な実践事例の紹介を行った。 ウ:文溪堂から発売された学習ソフト作成の図書に著した。
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