本研究は、書写教育の個別化・客観化を将来的な目標として、具体的には以下のように、字形の評価の客観化を目指したものであった。 1.これまで大型計算機・ワークステーション等の大型で移動できない実験的環境でおこなってきた字形の測定・評価の計算を小型で可搬型のパソコン上でおこなうための、抽出すべき字形特徴の洗い出しとソフトウェアの検討およびそのプログラミング。 2.これまで計算機の使用に熟達した者でないと入力・操作が難しかった部分に関して、分かりやすいメニュー選択形式とするなど、書写に即したマンマシンインターフェイスの検討とそのプログラミング。 具体的な手順としては、小システム化に適する洗いなおしと、現実の書写に即した操作入力方法に関する検討。システムの該当部分の構成に関する考察および小容量化の為の検討、プログラミングといった作業。以上によって構成されたシステムを一般教員や生徒に使用してもらい、その結果としての使用に関する感想等および字形測定評価結果をフィードバックし、検討。となる。このうち、ワークステーション等で行っていた処理のうち主な処理を化搬型のパソコンにより処理できるよう内容の精選とそのプログラミングを達成できた。ただし、実際に一般教員や生徒による仕様とフィードバックの段階には、時間的な制約のため、至らなかった。したがって、上記2の項目については、研究を継続していく必要がある。今後は、評価内容の向上と同時に、一般教員等を対象に書写に即した利用しやすいシステム化をはかりたい。
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