研究課題/領域番号 |
06780237
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
計算機科学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
松本 尚 東京大学, 大学院理学系研究科, 助手 (70240728)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1994年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | マルチプロセッサ / 共有バス / スヌープキャッシャ / キャッシュインインジェクション / Elastic Barrier |
研究概要 |
マルチプロセッサ上の通信機構や同期機構の定量的な評価を行うために、従来からクロックレベルの動作が詳細に観測できる実行駆動型の共有バス型マルチプロセッサのシミュレータを開発した。本研究では、このシミュレータの構成要素であるスヌープキャッシュにキャッシュインジェクション機能を追加し、外部からデータをキャッシュに注入する主体である広域構造体ブリフェッチ機構を実装した。作成したシミュレータを用いて、キャッシュインジェクションを使用したプリフェッチ機能の性能を、SOR、SAXPY等の応用プログラムを実行することにより評価した。評価の結果、キャッシュインジェクションは要素計算機間を結合するバスのトラフィックを減少させる働き、キャッシュを有効に活用する機能が有効であり、著しい性能向上がえられた。現在、本マルチプロセッサシミュレータはワークステーション上で動作しており、研究代表者が在籍する研究室の最新鋭高性能ワークステーション上で、シミュレーション実験を行った。大規模なシステムをシミュレートするためには大容量のメモリが必要になるため、ワークステーションのメモリを増設した。また、シュミレーション時間もかなり長くなるため、シミュレーション時になるべく多くの情報をログとして保存して、そのログ情報を利用してシステムの性能評価やキャッシュインジェクション機構の動作の解析そして機構の改善法の検討に役立てた。交付された予算は、シミュレーションを行なうシステムの補強に使用した。 シミュレーションでは評価不可能な規模のアプリケーションに対する評価を可能にするために、Elastic Barrierを実装した密結合マルチプロセッサプロトタイプ「お茶の水1号」の研究開発も行った。「お茶の水1号」は4台のRISCプロセッサからなる密結合マルチプロセッサであり、完成時のピークパフォーマンスは600MIPS,400MFLOPSである。交付された予算の一部はこのプロトタイプ作製の部品の購入に使用された。このプロトタイプの設計並びに各機能の性能見積りについては報告発表を行った。
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