研究概要 |
本研究では、まず、理論的観点から、(1)Hough変換の検出精度・分解能と変換関数の関係、および、パターン平面における画像特徴とパラメータ平面における度数分布の関係の定式化を図った。また、(2)拡張Hough変換関数とパターン検出精度の関係の定式化、変換関数とパラメータの最適設計メカニズムについても検討を行った。さらにこれを、(3)視点の移動(追従)と併せて用いることにより、検出感度を動的に設定する中心視/周辺視的な視覚特性を持たせたアスカント・グランス・ビジョン(Askant Galnce Vision)を実現した。 実利用的な観点からは、(4)メモリ容量、計算コストなどを抑制した高速化・効率化アルゴリズム群の開発を行い、必要なメモリサイズ、計算コストを基に評価した。また、(5)Hough変換によって求められた直線を画像データに合わせてセグメント化するアルゴリズムの実現など、後処理としてのHough変換のソフトウェア的な周辺利用環境についても併せて整備を行った。 (6)開発した各種のアルゴリズムは、具体的にはプログラムライブラリの形で実現した。開発は、主として画像入出力インタフェースを補強したワークステーション端末で行い、市販のグラフィックスパッケージも利用して表示系などを補強した。また、専用ハードディスクに収集した多種多様な画像データを用いて、Hough変換アルゴリズムライブラリのパフォーマンスの評価を行った。プログラムライブラリはC言語の関数群で記述し,Windows環境などのパソコンでもダウンロードして利用できるようにした。
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