研究概要 |
本研究では,ハードウェア/ソフトウェア協調設計システムPEAS-Iが生成するCPUの性能評価を行ない,既存の汎用CPUとの比較実験からPEAS-Iシステムの設計手法の有効性を確認した.. レジスタ数と応用プログラムの実行時間の関係を評価する実験の結果から,応用プログラムの命令の実行頻度にはばらつきがあり,使用可能なレジスタ数を増やすことにより応用プログラムの実行時間が短くなることが確認できた.したがって,応用プログラムを高速に実行するためには,実行頻度の高い命令の実行時間が短く,加えて使用可能なハードウェア資源が十分なCPUとそのコンパイラが必要である. 既存の汎用CPUとの比較実験の結果から,生成されたCPUのハードウェア量は既存の汎用CPU(386,486など)と比較してかなり小さいため,CPUと周辺回路などのハードウェア量の配分を考慮することにより特定用途向きマイクロプロセッサの機能向上が可能である.また,PEAS-Iシステムは応用プログラムに適した命令セットとその実現方法を決定していると考えられる.したがって,PEAS-Iは特定の応用プログラムに対してハードウェアとソストウェアのバランスのとれたCPUの生成が可能であると考えられる. レジスタ数と命令セットのトレードオフを考慮したCPUのアーキテクチャの最適化およびCPUアーキテクチャを反映した最適化コンパイラの実現などは今後の課題である.
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