テキスト編集の自動化について、半順序優先度を持つ制約を基本とする方式を研究した。テキストが満たすべき制約をユーザが定義することにより、制約が満たされなくなった時にはシステムが自動的に編集操作を補う。制約には半順序の優先度が与えられるが、これはユーザが与えるのではなく、ユーザの操作例からシステムが徐々に決定していく。制約を充足させる方法もユーザの操作例から学習し、これにも制約の優先度とは別に優先度を与える。2種類の優先度によって無駄な動作が抑えられるため、効率良く自動化することが可能である。この方式の特徴は次の通りである。 ・GPSではゴールは達成可能であることが前提であるが、このシステムにおいては、制約は充足可能とは限らず、優先度に従って最も適当な動作をする。 ・制約階層とは異なり、制約の優先度関係はユーザが固定的に与えるのではなく、ユーザとの対話を通して徐々に決定していく。 ・ユーザの操作の中には、テキストの編集を行なう部分と制約を充足させるための部分が混じっているため、そこから学習した解法には、制約を充足させる以外の編集操作も行ってしまうものがある。ユーザとの対話を通して解法の優先度を決定することにより、不必要な解法を排除し、探索空間を小さくしている。 半順序優先度の学習という枠組は、対象領域に依存した知識を仮定しないため、テキスト編集以外の領域にも適用可能である。具体的には、マルチメディアユーザインターフェース作成への応用について、現在研究を行っている。
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