初心者の誤概念及びそこから形成される不適切なプログラミング知識を修正するための教授法略について考察し、プログラミング知識の形成を支援するための方法を確立することを目指して、知的教育のシステムの基盤技術を統合した知的教育のシステムの構築を試みた。具体的には以下の2点について研究を実施した。 1.プロトコル採取実験:プログラムの抽象設計時に参照した知識を明らかにするためにプログラミング初心者と上級者に比較的単純な課題を与え、プログラミング最中のプロトコルを採取した。採取されたプロトコルを対照比較することによって計算機システムに対する初心者及び熟練者の概念的な計算モデルを構築した。構築したモデルは、プログラミング課題を表す課題モデル、概念的計算モデル、プログラミング言語を抽象化した計算モデルの3層からなり、初学者の概念ギャップとして捉えることが可能になっている。 2.概念的な計算モデルを用いた知的教育システムの構築:1で得.られた概念的な計算モデルのイメージをベースにしてプログラム理解システムを試作した。概念的な計算モデルを用いてプログラミング初学者が持つ誤概念を捉えることによって、学習の初期の段階で犯しがちなプログラミング上の誤りの原因を適切に 捉えることが可能になった。
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