研究概要 |
本年度は,視覚ロボットの移動計画モジュールの設計と物体認識モデル自動生成に関する研究を行なった.まず,移動計画モジュールの設計においては,廊下や部屋などに存在する物体を認識する際,特定の方向からの画像だけでは不十分なことが多ため,廊下全体を見渡せる位置から物体の認識を試み,失敗すれば次の観測すべき位置まで移動計画を立てて再認識を試みる物体認識移動ロボットの構築に取り組んだ.特に,物体の認識状況に基づいた移動計画ならびに再認識方法について新たに提案した.ところが,予定された行動をロボットができれば本方式も有効であるが,タイヤのスリップなど,予定外の動作についての処理方法が問題となった. 次に,物体認識モデル自動生成では,一般的な領域抽出処理は,処理の選択ならびに処理の組み合わせ,また各種パラメタを決定することが難しく,大きな問題となっていたため,一般的な画像処理を用いて,それらの処理順序と閾値などのパラメタの組合せの中から,物体領域が正しく抽出できるような処理順序とパラメタを自動的に合成する方法を提案した.一般的な画像処理に加えて,対象物体の特徴を考慮した処理を作成し,それらを用いた領域抽出手続きの自動的な合成に関するプログラムを作成して,これまで一般的な画像処理の組み合わせでは領域抽出不可能であった領域を,良好に抽出できるようになった.しかし,画像特徴プログラムの組み合わせの爆発が問題となり,その爆発を押さえる制約条件をどのように設定するかが問題となった。
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