研究概要 |
(1)制約処理を取り入れた非線形プランナの設計 論理プログラミングに基づくプランナは定理証明技法を用いることで,汎用化することが可能であることが知られているが,特定の作業対象に対しては,作業環境の表現と作業手順の効率生成が要求される.本研究では,制約論理プログラミングによって汎用性を保持したまま,作業対象の幾何学的制約を処理し,非線形的な証明法を取り入れたシステムを開発した.これにより,複雑な形状物の組立を効率よく実現することができた. (2)制約論理プログラミングに基づいたロボット動作計画システムの設計 マニピュレーターが物体を保持している場合の障害物回避は計算量の大きい問題であるため,ヒューリスティック解法が要求される.本研究では制約論理プログラミングの宣言性に着目して,対象物体のモデル化と近似的な障害物回避法を実現した.これは作業対象,ロボットの構造に依存した部分を宣言的に記述し,動作計画生成は汎用アルゴリズムを用いているため,一般的な動作計画法となっている. (3)帰納学習を取り入れた制約充足システムの設計 ロボット作業の高度化を推進するためには,外界からの情報を獲得し,それに基づいてロボットの行動を制御する機構が必要である.本研究ではこの問題を既納学習によって解決するものであり,数値情報からの既納学習を行って,記号情報へ変換するシステムを構築した.学習結果は制約論理プログラムとして得られるので,(1),(2)の成果との整合性がよい. (4)マルチロボット協調動作計画法の提案 (1),(2)の発展形として複数台のロボットを用いた協調動作計画法を提案し,システム化した.エージェントの考えは最近分散システムに用いられているが,ロボットを対象にした方法は新しいもので,4台のロボットと2つの視覚系を分散実行させ,複雑なタスクを実現可能にした.
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