本研究では、交通システム全体を考慮した上でのパーク・アンド・ライド・システムの効果および形態を明らかにするため、交通システム全体からみた基礎的な交通ネットワークの解析法の確立を行い、最適なパーク・アンド・ライド・システムを選定するための基礎的な解析法を確立し、さらに開発した解析法を用いた事例への適用を行った。平成6年度に得られた成果は以下の通りである。 1.パーク・アンド・ライド・システム解析のための基礎として、この問題に発生する駐車場立地問題の費用関数が処理量の凹費用関数に近似されることから、交通ネットワークと凹費用施設配置問題を同時に考慮したネットワーク計画問題に対する実用的で効率的な近似解法のアルゴリズムを開発した。 2.パーク・アンド・ライド・システムの解析のための基礎として、パーク・アンド・ライド・システムのための予算制約をもつ交通ネットワーク計画問題に対する解析法と近似解法のアルゴリズムを開発した。 3.1および2のアルゴリズムおよび解析法をもとに、交通システムを考慮したパーク・アンド・ライド・システムモデルを提案し、このモデルのための近似解法のアルゴリズムを開発した。さらに、24OD、160ノード、540リンクからなる基本的な金沢市の交通ネットワークを事例としたパーク・アンド・ライド・システムの解析を行った。
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