航空路の拠点空港(ハブ空港)の設置問題について、連続型と、離散型の二つのモデルを作成し、その解法を考案した。 連続型のモデルでは、需要が平面上に連続に分布していると仮定し、2つの拠点空港を設置する最適な点を求めた。問題は、ボロノイ図を用いて、定式化でき、非線形最適化の手法を用いて解を求めた。このモデルは、非常に抽象的であるが、問題に対して、直観的な知見を求めるのに役に立つと思われる。例えば、正方形内では、軸方向に2点を置いた方が、対角線方向に2点を置くよりも効率が良いなどということがわかった。 離散的なモデルでは、需要が平面上に点で与えられている時、その中からハブ空港をいくつか選ぶ問題を、整数計画法の問題として定式化し、分枝限定法による解法を考案した。まず、この問題がp-メディアン問題という施設配置問題の一典型に帰着することを示し、それに対して、分枝限定法による新しい解法を工夫し、既存の解法よりも効率が良いことを数値的に確かめた。数値例として、アメリカ合衆国の25の空港から、いくつかのハブ空港を選ぶ問題を取り上げ、オペレーションズ・リサーチの実際的な観点からも興味深い知見を得た。 これらの成果は、論文にまとめ、学術誌に投稿中である。
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