| 研究概要 |
時間的・経済的に効率の高い,新たな原子炉解体工法として注目を集めている火薬類を利用した精密制御爆発法について実験的,理論的検討を行った。
まず,火薬類を任意の時間差で起爆し制御爆発を行った場合の,発生圧力と伝播挙動について検討し,ひずみゲージとマンガニン素子を用いたピエゾゲージによってモデル岩盤内の応力波形を測定した。また高速度ビデオ撮影により,亀裂の状況とモデル岩盤表面の自由面移動速度を測定し,応力挙動との比較を行った上で,起爆からの時間変化に関するモデルを設定した。
上記の実験結果に基づき,岩盤内の応力波伝播挙動のシミュレーションを行った。計算には構造物の動的解析に実績のある有限要素コード:DYNA-3Dと共に,今回開発した不連続変形モデルを取り入れたコード:DDAを用い,上記実験のシミュレーションを行い,自由面の変形過程について実験結果と良好な一致をみた。
一方,老朽化した建築物について実施された解体発破にDDAを適用して計算を行い,高速度ビデオで観察した実際の崩壊過程の結果と比較したところ,良好な一致をみた。さらに,精密制御爆発の際の振動低減解析モデルをたて,各種計算を実施することにより,構造物発破解体時の振動低減に関する知見が得られた。
以上により,本工法の有効性とモデルの妥当性に関する有意義な知見が得られた。
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