研究概要 |
1.B6C3F1マウスにトリチウム水を63.0MBq,126MBq,189MBq,252MBqを腹腔内投与した。 2.新鮮尿を経時的に採取しトリチウム濃度を液体シンチレーションカウンターで測定し、吸収線量の評価を行った。その結果、投与40日目までの線量は、それぞれ0.92Gy,2.06Gy,3.29Gy,4.57Gyであった。 3.トリチウム水投与41〜43日に、各群マウスを屠殺解剖し、脾臓リンパ球中のチオグアニン抵抗性突然変異誘発頻度を検討した。その結果、リンパ球100万個中の突然変異頻度は、線量に対し直線的な関係を示し、1Gy当り16.7個の増加を認めた。 4.誘発突然変異頻度が100万個当り50個になる影響を指標として比較すると、X線1回急性照射の場合と比較し、トリチウム水β線のRBEは約0.67となった(含水率の補正は行わず)。 5.本来は標準放射線としてトリチウムシュミレーターを使用する予定であったが、稼働が遅れたためX線急性照射の結果と比較した。トリチウムシュミレーターに関しては、現在照射中であり、今後、結果が出しだいRBEを再度検討する予定である。
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