研究課題/領域番号 |
06780436
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
環境影響評価(含放射線生物学)
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
綾木 仁 京都大学, 放射線生物研究センター, 助手 (80222701)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1994年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | コケイン症候群 / A群原因遺伝子 / クローニング / cDNA発現ライブラリー |
研究概要 |
正常ヒト線維芽細胞、NIKAよりグアニジンチオシアネート法により全RNAを抽出し、オリゴdTを用いてmRNAを分離後、cDNA合成を行った。得られたcDNAを真核生物発現用ベクターpRC/RSV(ネオマイシン耐性遺伝子を含む)に導入し、cDNAライブラリーを作成した。このライブラリーは、cDNAの平均サイズが、1.2kbpで、70万の独立したクローンを含んでいた。このライブラリーをコケイン症候群A群細胞株、CS2OSSVにリポフェクション法を用いて導入した。得られた約12万のネオマイシン耐性コロニーを紫外線照射により選択したところ5コロニーが生き残った。これらのコロニーの生存率曲線を調べたところ、4コロニーはCS2OSSVと同程度か、若干耐性を示す程度であったが、1コロニーは正常細胞と比較して半分から2/3程度の回復を示した。この細胞からゲノムDNAを抽出し、ネオマイシン遺伝子をプローブとしてサザンブロット解析を行ったところ1本のバンドが検出された。そこで、cDNAの外側のベクター部分にプライマーを設定し、ゲノムDNAを用いてPCRを行ったところ単一バンドが検出された。次に、このDNAの塩基配列をダイデオキシ法を用いて決定したが、ベクターのみの配列で、cDNAは含まれていなかった。従って、この紫外線耐性細胞は、自然復帰突然変異体であり、目的とするcDNA導入により回復した細胞ではないことが判明した。今回使用した発現ベクターpRC/RSVは、ゲノムに組み込まれるタイプである。最近EBウイルスの複製開始点oriPを含む発現ベクターがEBNA遺伝子の発現している細胞では高効率に導入され、しかもプラスミドの状態で複製することを利用した遺伝子の単離が報告された。本研究においてもこの方法を導入すべく、現在EBNA遺伝子の発現したCS2OSSV株を樹立し、oriPを持つ発現ベクターを用いてcDNAライブラリーの作成を行っている。
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