タキソ-ル(1)は現在、新規抗癌剤として大変に期待されている天然ジテルペノイドである。本研究は次世代のタキソ-ル系抗癌剤への発展を見通して、タキソ-ル(1)をリ-ド化合物とする、よりシンプルな構造を有する活性類縁体の開発を目的として行った。その結果、B環部8員環閉環反応を鍵とする合成経路を確立し、2-6の様なタキサン誘導体を短行程で効率良く合成することが出来た。現在までのところでは抗癌活性試験には至っていないが、13位の還元を行った後に、側鎖を導入し、検討を行う予定である。同様の合成経路により種々の誘導体合成が可能と考えられ、抗癌活性を有する誘導体が得られるものと期待している。
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