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ATP合成酸素の触媒部位の構造とエネルギー共役機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 06780482
研究種目

奨励研究(A)

配分区分補助金
研究分野 構造生物化学
研究機関大阪大学

研究代表者

岩本 昌子  大阪大学, 産業科学研究所, 教務職員 (70252715)

研究期間 (年度) 1994
研究課題ステータス 完了 (1994年度)
配分額 *注記
900千円 (直接経費: 900千円)
1994年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
キーワードATP合成酵素 / FoF1-ATPase / H^+-ATPase / エネルギー共役 / プロトン輸送
研究概要

ATP合成酸素(FoF_1-ATPase)は,酸化的リン酸化において,膜を介したH^+輸送に共役してATPを合成している.本酵素が正常に機能するにはサブユニット間の相互作用が必須であることから,本研究では,α/βサブユニット間,あるいはβ/γサブユニット間の相互作用部位を解明するべく研究を進めた.
βサブユニットのβVal-153は,触媒に必須な残基であるβLys-155とβThr-156の近傍に位置している.この残基をCysに置換して,変異型F_1のATPase活性がSH試薬によって阻害されるようになること,また,SH基とアミノ基を架橋する試薬で変異型F_1を処理すると,αサブユニットとβサブユニットが架橋されること,この架橋形成はATPによって妨げられることを示した.以上より,F_1の触媒部位近傍のβVal-153は,αサブユニットとの境界面付近にあることが示唆された.これらの結果はFEBS Lett.に発表した.
ATPの合成/加水分解とH^+輸送とのエネルギー共役の調節に重要な役割を果たしている,γサブユニットのアミノ末端領域とカルボキシル末端領域にCys変異を導入し,それぞれの変異酸素活性に及ぼすSH試薬の効果を検討した.NEMはγCys-23,γCys-273およびγCys-278変異酸素のATPase活性を阻害し,DTNBはγCys-275変異酸素活性を阻害した.また,これらの阻害効果は,ATPによって妨げられた.以上の結果から,γサブユニットの機能領域と触媒サブユニットとの間に機能的な相互作用のあることが示唆された.更に,γサブユニットのフレームシフト変異が,βサブユニットのβArg-52→CysおよびβGly-150→Aspの変異でそれぞれ抑圧されることを見い出した.興味深いことに,βGly-150残基の位置は,触媒部位に近傍している.以上の結果は,γサブユニットとβサブユニットの,機能領域間の相互作用が,酵素活性に重要であることを示していると考える.これらの結果については現在投稿準備中である.

報告書

(1件)
  • 1994 実績報告書
  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] A.Iwamoto: "N-Ethylmaleimide-sensitive mutant(βVal-153→Cys)Escherichia coli F1ATPase : cross-linking of mutant β subunit with α subunit." FEBS Lett.352. 243-246 (1994)

    • 関連する報告書
      1994 実績報告書
  • [文献書誌] M.Futai: "Catalysis and energy coupling of H^+-ATPase (ATP synthase) : molecular biological approaches." Biochim.Biophys.Acta. 1187. 165-170 (1994)

    • 関連する報告書
      1994 実績報告書

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公開日: 1994-04-01   更新日: 2016-04-21  

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