オリゴマー蛋白質として、2量体構造をとる アスパラギン酸アミノ基転移酵素(AspAT)を用い、以下の手順でオリゴマー蛋白質の耐熱化機構に関する解析を行った。 (1)高度好熱菌 Thermus thermophilus HB8のASPAT 遺伝子を、PCR法を用いてクローニングした。 (2)塩基配列決定を行い、アミノ酸配列を推定した。その結果を常温菌の酵素と比較すると、蛋白質の会合面に存在するアミノ酸残基がよく保存されていた。 (3)酵素を量産化するプラスミドを作製した後、酵素を精製した。 (4)円二色性スペクトルによる分光学的測定の結果、約90℃まで耐熱性であった。 (5)酵素活性は、常温菌・好熱菌の酵素いずれもほとんど同じであった。 (6)X線結晶解析で、立体構造を解明するために、酵素の結晶化を行った。
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