研究課題/領域番号 |
06780524
|
研究種目 |
奨励研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生物物理学
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
佐甲 靖志 東京大学, 教養学部, 助手 (20215700)
|
研究期間 (年度) |
1994
|
研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
|
配分額 *注記 |
1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1994年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
|
キーワード | 蛍光顕微鏡 / カドヘリン / 細胞接着 / 膜タンパク質 / 細胞骨格 / 画像処理 |
研究概要 |
培養皮膚細胞の細胞膜上のE-カドヘリン分子を特異的に標識する蛍光ビーズ(直径30nm)を用いてカドヘリンの集合過程を追跡する方法を開発した。E-カドヘリンに対する単クローン抗体をビーズに吸着させる際の、ビーズと抗体の量比、溶液のイオン強度の最適化を行った。また吸着反応後、ビーズの凝集体、抗体の吸着した単分散ビーズ、吸着しなかった単分散ビーズ、未反応の抗体をHPLCを用いてゲル濾過で分離し、抗体の吸着した単分散ビーズを精製する方法を開発した。この方法で作製した蛍光ビーズは培養皮膚細胞の細胞膜のE-カドヘリンを特異的に認識し、細胞外カルシウム濃度上昇によるカドヘリンの細胞間接着部位への集合を阻害しないことを確認した。この蛍光ビーズを我々が以前開発した超高感度カメラを用いて観察したところ、50%の蛍光退色が起こるまでに、500枚以上の蛍光画像が撮影できることが明らかになり、カドヘリンの集合過程を追跡するに充分な蛍光強度が得られることがわかった。撮影した蛍光画像からビーズの運動を計測するソフトウェアを開発した。重心検出により、5nmの空間精度でビーズの位置を測定することが可能になった。今後は、この方法を用いてカドヘリンの集合を追跡していく。 同時に、蛍光画像と微分干渉像を同時観察するための新しい蛍光顕微鏡を開発した。全ての光学系を光学ベンチの上に直線的に配置することにより光学特性を向上させると共に、偏光板の替わりにグラントムソンプリズムを用いて偏光特性を従来の100倍程度上昇させることができた。この顕微鏡により、微分干渉像でビーズの運動を測定し、同時に蛍光で細胞骨格系を観察することが可能になった。
|