研究課題/領域番号 |
06780538
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生物物理学
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研究機関 | 九州工業大学 |
研究代表者 |
小松 英幸 九州工業大学, 情報工学部・生物システム工学科, 助手 (90253567)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1994年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 筋収縮 / 分子モーター / ミオシン / ATPアーゼ / エネルギー変換 / ストプットフローカロリメトリー |
研究概要 |
2,3-ブタンジオンモノオキシム(BDM)は筋収縮を可逆的に抑制する。BDMはミオシンATPaseの反応中間体であるミオシン・ADP・リン酸複合体(M.ADP.P_i)からのP_i遊離過程の活性化エネルギーを変化させることがわかっていた。BDMを加えてエネルギー状態を変調させたミオシンATPaseとBDMを加えていないミオシンATPaseをエンタルピー変化と構造変化について比較した。この結果はBDMがミオシンATPaseのエネルギー状態変化-構造相関の研究に極めて有用であることを示している。 1.BDMによるミオシンATPase中間体のエンタルピー変化---ストップトフローカロリメーターを用いてミオシンATPase反応中間体のエンタルピーレベルを測定した。BDM存在下ではM.ADP.P_iのエネルギーレベルがBDM非存在下にくらべて低くなっていた。 2.BDMによるミオシン頭部(S1)の構造変化---トリプシンによる限定消化のされ方にBDM存在非存在下で変化はなかった。ATP存在下でも同様の結果だった。ドメイン構造を変化させるような大きい構造変化は起きていないと考えられる。M.ADP.P_i形成に伴うトリプトファン残基の蛍光増加率もBDM存在下非存在下で違いはなかった。ATP結合部位のトリプトファン残基近傍の環境も変化していないであろう。 3.BDMの作用機構---熱変性や化学修飾によりM.ADP.P_iの形成を阻害したS1ではBDMの効果はなかった。BDMはM.ADP.P_iに選択的に作用していると考えられる。 BDMはM.ADP.P_iの構造を大きく変化させないでエネルギー状態を変化させている。今後BDMの作用部位の同定を行ってS1のどの部分がエネルギー状態を決めているのかを調べる予定である。
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