研究課題/領域番号 |
06780576
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
細胞生物学
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
五十嵐 道弘 群馬大学, 医学部, 助手 (50193173)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1994年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 成長円錐 / 情報伝達 / C-キナーゼ / チロシンキナーゼ / シナプス前終末 / 開口分泌 / G蛋白 / G蛋白共役受容体 |
研究概要 |
神経成長円錐を単離して、チロシンリン酸化を受ける蛋白を免疫プロッティングで検出したところ、少なくとも10種類の異なる蛋白が存在することが分かった。これらを膜結合性のものと可溶性のものに分けて、抗ホスホチロシン抗体のアフィニティーカラムにより、部分精製を行った。それぞれ数種類の異なる蛋白を含んでいるので、さらに現在、各バンドの固定を進めている。 G蛋白及びチロシンキナーゼの下流にある情報変換機構として、C-キナーゼがあるが、本年はC-キナーゼのうち、nPKC(Ca^<2+>非依存性)のものを調べた。nPKCのうち、成長円錐ではδPKCが主に存在していた。シナプトソームでは、ホルボールエステル刺激に依ってδPKCは膜から可溶性画分へ移行するが、成長円錐では反対に、可溶性画分から膜へ移行することを見いだした。δPKCはβPKCと異なり、膜骨格には存在せず、GAP-43とは共存していなかった。nPKCの活性化条件下で成長円錐での蛋白リン酸化はアラキドン酸により、抑制された。これはδPKCの性質を反映していると考えられる。 成長円錐の成熟にともなう開口放出の変化を調べるために、シナプス前終末に特異的な蛋白の変化を調べたところ、シナプス小胞の融合に必要な蛋白の大部分が成長円錐にも存在することが証明された。大量の開口放出を引き起こすα-ラトロトキシンを用いた実験から、成長円錐には制御性の弱い開口放出能がすでに備わっていることが明らかとなった。一方、制御性の強い開口放出に関与するシナプトフィジンやシナプシン1の量は、幼若な成長円錐では少量であることが示された。現在、制御機構の成熟化に研究の視点をおいて、解析している。
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