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ラッフル膜形成をモデルとしたアクチンとアクチン調節蛋白質の分子機構の解析

研究課題

研究課題/領域番号 06780578
研究種目

奨励研究(A)

配分区分補助金
研究分野 細胞生物学
研究機関千葉大学

研究代表者

阿部 洋志  千葉大学, 理学部, 助手 (00222662)

研究期間 (年度) 1994
研究課題ステータス 完了 (1994年度)
配分額 *注記
900千円 (直接経費: 900千円)
1994年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
キーワードラッフル膜 / コフィリン / アクチン / リン酸化 / 好中球 / フォスファターゼ
研究概要

ラッフル膜形成の分子機構を明らかにするべく、主に培養線維芽細胞(Swiss3T3細胞)及びヒトあるいはブタの好中球を用いて実験を行った。
コンフルエントにした後血清濃度を下げて静止期に同調させた線維芽細胞に、蛍光標識したコフィリンとアクチンを同時にマイクロインジョエクションにより導入したところ、両者は既存の細胞骨格に組み込まれることなく細胞質中に分散して存在した。しかし、インジェクションした細胞のまわりに存在する細胞をはぎ取ることによって再活性化すると、細胞は速やかにラッフル膜を形成し移動し始めるようになる。このとき導入された蛍光標識コフィリン及びアクチンはどちらもラッフル膜に移行し、非常によく一致した局在を示すことが見出された。また、培養液中にNa-H-ポンプの阻害剤であるアミロライドを加えておくとラッフル膜の形成が阻害され、同時にアクチンとコフィリンの局在化も見られなくなった。この結果からラッフル膜の形成には細胞内pHの上昇が必要であることが示唆された。
一方、好中球をfMLPやTPAで活性化すると、非常に速やかに細胞の変形が起こり、ラッフル膜を形成する。この時、コフィリンの著しい脱リン酸化が起こりラッフル膜へ局在するようになる。リン酸化されたコフィリンはアクチンへの結合能を失うことに既に見出しており、ラッフル膜の形成には活性のあるコフィリンが必要であることが示唆される。そこでフォスファターゼの阻害剤であるオカダ酸やカリキュリンAを加えたところ、これらの添加のみでコフィリオンの脱リン酸化が誘導された。しかしそのレベルはTPA処理によるそれとは異なり、完全な脱リン酸化には至らず、TPAなどにより活性化するとさらに脱リン酸化が起こった。このTPAによる脱リン酸化は10μMのオカダ酸を加えた時にのみ抑制されたことから、コフィリンの脱リン酸化を行っているのはタイプBのフォスファターゼであり、タイプ1や2Aはコフィリンをリン酸化するキナーゼの活性繊維に働いていると考えられる。

報告書

(1件)
  • 1994 実績報告書
  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Ono,S.: "Characterization of a Novel Cofilin Isoform That Is Predominantly Expressed in Mammalian Skeletal Muscle." J.Biol.Chem. 269. 15280-15286 (1994)

    • 関連する報告書
      1994 実績報告書
  • [文献書誌] Ohtsuka,Y.: "Immunochemical Studies of an Actin-binding Protein in Ascidian Body Wall Smooth Muscle." Zool.Sci.11. 407-412 (1994)

    • 関連する報告書
      1994 実績報告書
  • [文献書誌] Nagaoka,R.: "Concentration of Cofilin,a Small Actin Binding Protein,at the Cleavage Furrow During Cytokinesis." Cell Motil.Cytoskel.30. 1-7 (1995)

    • 関連する報告書
      1994 実績報告書
  • [文献書誌] Nagaoka,R.: "Effects of cofilin on actin filamentous structures in cultured muscle cells:Intracellular regulation of cofilin action." J.cELL sCI.108(in press). (1995)

    • 関連する報告書
      1994 実績報告書

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公開日: 1994-04-01   更新日: 2016-04-21  

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