研究課題/領域番号 |
06780603
|
研究種目 |
奨励研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
発生生物学
|
研究機関 | 北海道教育大学 |
研究代表者 |
木村 賢一 北海道教育大学, 教育学部・岩見沢校, 助教授 (80214873)
|
研究期間 (年度) |
1994
|
研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
|
配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1994年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
|
キーワード | ショウジョウバエ / 神経発生 / 感覚神経 / 機械感覚 / 化学感覚 |
研究概要 |
ショウジョウバエの2種類の感覚器、機械感覚器と化学感覚器は、機能的にも構造的にも異なっている。機械感覚器と化学感覚器の発生運命選択の決定にpox-neuro遺伝子が関与していることが、胚の周辺神経の感覚器の外部形態の観察から示唆されている。本研究では、成虫感覚毛発生におけるpox-neuro遺伝子の機能を理解するために、pox-neuro遺伝子の欠失突然変異による影響を解析した。pox-neuro遺伝子の欠失突然変異体(Df(2R)WMG)は胚致死となってしまうため、成虫感覚毛での影響は直接検証できない。そこで、γ線の照射による体細胞組みかえによりpox-neuro突然変異モザイクを成虫組織の一部に誘導した。γ線照射によるモザイク形成によってpox-neuro遺伝子欠損クローンをつくったところ、その領域の感覚毛に(化学感覚毛も機械感覚毛も)、shaftの欠失または形成不全という異常が観察された。そのため、外部形態の観察だけでは、pox-neuro遺伝子の欠損により化学感覚毛から機械感覚毛への転換が生じたかどうかは特定できなかった。shaft形成異常が機械感覚毛にも化学感覚毛にも生じたことは,shaftの形成など感覚毛の発生分化の後期過程には、pox-neuro遺伝子は化学感覚毛だけでなく機械感覚毛の形成にも関与している可能性を示している。しかし用いた欠失突然変異系統Df(2R)WMG内の他の遺伝子の影響により、shaftの形成異常が生じた可能性もある。今後は、pox-neuro遺伝子の突然変異を分離し、突然変異体を用いて化学感覚毛の発生にどの様な異常が生ずるか明らかにする必要がある。
|