研究課題/領域番号 |
06780686
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
神経・筋肉生理学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
真鍋 俊也 東京大学, 医学部(医), 助手 (70251212)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1994年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 長期増強 / シナプス伝達 / グルタミン酸受容体 / セカンドメッセンジャー / カルシウムイオン / パッチクランプ記録法 / 海馬 / 神経生理学 |
研究概要 |
1.海馬興奮性シナプス応答を細胞外記録し、グルタミン酸灌流投与により海馬興奮性シナプス伝達の長期増強(LTP)が誘導されることを確認した。また先に高頻度刺激でLTPを誘導した入力ではグルタミン酸を投与しても増強が見られないことから、グルタミン酸灌流投与による増強が高頻度刺激によるLTPと同一の機構で維持されることを明らかにした。 2.ホールセル記録法によりシナプス電流を記録し、NMDA受容体の開口チャネルブロッカーであるMK-801を用いてシナプス前伝達物質放出確率を計測した。この方法をLTPに応用しLTP発現に伝達物質放出確率の増大は関与しないことを明らかにした。 3.シナプス後細胞のカルシウムチャネル活性化による細胞内カルシウム濃度上昇によりシナプス後細胞のAMPA受容体の伝達物質に対する感受性および微小シナプス電流の振幅が増大することを見いだした。 4.NMDA受容体の活性化によりアデノシンが介在ニューロンより放出され、興奮性シナプス伝達をシナプス前抑制することを明らかにした。 5.錐体細胞内に一定濃度に調整したカルシウムイオンをホールセルピペットを介して投与し、シナプス伝達に対する効果を検討したが、今までのところシナプス応答の増強は見られなかった。現在は、(1)各種のセカンドメッセンジャーの作用を検討する(2)細胞体でのアゴニスト応答に対するセカンドメッセンジャーの作用を検討するという方針で研究を続行中である。 6.AMPA受容体単一チャネル特性に対するセカンドメッセンジャーの作用を検討するための準備実験として、アウトサイド・アウト・パッチでAMPA投与により開口するチャネルの特性を解析中であり、今後はピペット内灌流によりセカンドメッセンジャーを細胞膜内側に作用させ、単一チャネル特性の変化を検討する予定である。
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