◎ヒトMTG8のマウスホモログMtg8遺伝子の解析 ヒトMTG8のマウスホモログMtg8のcDNAを採取し配列を決定した。その結果、ヒトとマウスの予想されるアミノ酸配列の間に非常に高い相同性があることが分かった(99.3%)。高い相同性は核酸配列においても認められた(5′末端非翻訳領域87.0%、コーディング領域92.0%、3末端領域93.7%)。マウスMtg8遺伝子をプローブとしてZoo-blotを行った結果から、この遺伝子は哺乳類のみならず遺伝的に離れている鳥類や両性類にも存在すると考えられた。3′末端領域にはCA反復配列が含まれており、これを挟むようにプライマーを設計してPCRを行ったところ系統差が認められた。この多型を利用して遺伝的マッピングを試みた。マイクロサテライトをマーカーとして用い、PCR法により解析を行った。その結果、この遺伝子はマウス染色体4番の中心体近傍に存在することが明らかになった。さらにFISH法を用いて、物理的にもマウスMtg8遺伝子が染色体4番の中心体近傍に存在することを確かめた。以上の結果は″Genomics″に投稿した。 ◎AML1-MTG8融合遺伝子を導入したトランスジェニックマウスの作製 ヒトから採取されたAML1-MTG8融合遺伝子のトランスジェニックマウス作製を試みた。マウスメタルチオネインまたはサイトメガロウイルスのプロモーターを組み込んだ発現ベクターを用い、B6C3F1マウス受精卵にマイクロインジェクションにより注入した。その結果、計5匹(雄2匹、雌3匹)の遺伝子導入個体が得られた。それらのマウスから子孫を取り現在解析中である。
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