研究課題/領域番号 |
06780714
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
医用生体工学・生体材料学
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
高橋 龍尚 山形大学, 工学部, 助手 (40250956)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1994年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 無侵襲計測 / 酸素摂取量 / ICG / 心拍出量 / 嫌気的閾値 / ステップ負荷運動 / 漸増負荷運動 / 自転車エルゴメータ |
研究概要 |
本研究は、健常者或いは心疾患患者のための総合的な心肺機能予備能力計測・評価システムの開発を行った。本システムは、ガス分析器、ICG(胸部インピーダンス)、ECG(心電図)の装置からなり、安静時、運動(自転車エルゴメータ負荷)時の呼吸循環(換気量、酸素摂取量、二酸化炭素排泄量、心拍数、心拍出量)動態に無侵襲的に連続測定し、得られたデータはパソコンによりオンラインで処理される。漸増負荷運動では、嫌気的閾値(AT)は健常者に比べ心疾患患者では有意に低い。パルスオキシメータ(申請設備備品)を用いた測定では、健常者、心疾患患者共に動脈血酸素飽和度は安静時とATレベル以上の運動負荷時との間では有意な差は認められない。ステップ負荷運動時の各測定パラメータの過渡応答特性を、一次の指数関数を持つ線形モデルで定量化した際、呼吸系パラメータには健常者と心疾患患者との間には有意な差は見られないが、循環系では心疾患患者の動特性は遅くなる。その動特性の遅れは主に心拍数によることが示され、心機能の低下は一回拍出量の低下として顕著に現れる。以上より、呼吸系パラメータから得られるATを基準とした従来の運動耐容能の評価は、心疾患患者に対しては安全に問題があることが示された。また、本研究によって開発されたシステムは、運動負荷試験時の呼吸循環系諸指標の過渡応答特性を定量的に示し、従来の定常状態の情報に加え過渡状態の情報を提供すると共に、呼吸と循環の相互関係に関する情報を提供する。また、運動時の一回拍出量、心拍出量を与えるICGを備えた本システムは、運動時のリスクの有無を示唆する予防医学上の情報を提供するだけではなく、心肺機能の評価と診断に重要な情報を提供するものである。本研究では設備備品であるPowerMacは、データ取得と解析、シミュレーションに使用した。
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