研究課題/領域番号 |
06780725
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
医用生体工学・生体材料学
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研究機関 | 北陸先端科学技術大学院大学 |
研究代表者 |
由井 伸彦 北陸先端科学技術大学院大学, 材料科学研究科, 助教授 (70182665)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1994年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | ヒアルロン酸 / ヒドロキシルラジカル / 炎症応答型生体内分解 / 光分解性ゲル / 薬物送達システム / 脂質微粒子 / メチレンブルー / カタラーゼ |
研究概要 |
ヒドロキシルラジカル(OH・)によって特異的に分解する多糖であるヒアルロン酸(HA)架橋ゲルに光増感剤であるメチレンブルーを導入し、酸素存在下に光によって表面から分解する高分子ゲルに関する基礎的検討を行ない、光に応答して分解する高分子ゲルを用いた眼装着型薬物送達システムの実現可能性を示した。このHA架橋体からなる分解性マトリックス中に、薬物リザーバーとして脂質微粒子が分散したミクロドメイン構造デバイスを作製し、その光に応答したゲル分解と脂質微粒子の放出挙動とを解析した。HA架橋ゲルの分解は、光照射によってメチレンブルーを酸化型から還元型に変化させ、これによって系中に予め添加した過酸化水素との反応からOH・を発生させて行った。メチレンブルー存在下、脂質微粒子が分散したHA架橋ゲルでは、光照射により発生したOH・によって比較的材料全体で分解が生じていた。しかしながら、光照射時のゲル分解に伴った脂質微粒子の放出性は、時間に対して直線的であることが認められ、光分解に応答した薬物放出の制御が確認された。更には、過酸化水素消去酵素であるカタラーゼを系に存在させることによって、HA架橋ゲルのOH・による分解量と分解速度とを独立に制御可能であることが示され、OH・発生に対するゲル分解のON-OFF制御が可能となった。こうしたことから、本研究に用いたHA架橋ゲル・システムは、眼疾患に対する局所療法のみならず、光に応答した時間生物学的な薬物送達システムを可能にする材料として有効であるものと結論された。
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