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温度感受性リポソームの開発:曇点を有する高分子を担持したリポソームの薬物放出挙動

研究課題

研究課題/領域番号 06780732
研究種目

奨励研究(A)

配分区分補助金
研究分野 医用生体工学・生体材料学
研究機関大阪府立大学

研究代表者

河野 健司  大阪府立大学, 工学部, 助手 (90215187)

研究期間 (年度) 1994
研究課題ステータス 完了 (1994年度)
配分額 *注記
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1994年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
キーワード温度感受性 / リポソーム / ポリ-N-イソプロピルアクリルアミド / ホスファチジルエタノールアミン / 曇点 / ドラッグデリバリーシステム
研究概要

部位選択的に薬物を送達できる運搬体として、温度感受性リポソームの有効性が示されている。本研究では、温度変化に応答して、短時間に、内包した薬物を完全に放出する温度感受性リポソームとして、ポリホ-Nイソプロピルアクリルアミドを担持したジオレオイルホスファチジルエタノールアミン(DOPE)リポソームを調製し、このリポソームの温度感受性について検討した。
脂質膜へのアンカー部位を有する温度感受性高分子として、N-イソプロピルアクリルアミドとアクリル酸ステアリルの共重合体(モノマー組成比98/2)をラジカル重合法によって合成した。DOPEリポソームを超音波法によって調製し、これと合成した温度感受性高分子の水溶液をインキュベーションすることによって、高分子修飾リポソームを調製した。このリポソームの内部に蛍光物質カルセインを取り込ませ、このリポソームからのカルセインの放出挙動の温度応答性を調べた。その結果、この高分子の曇点である31以下では、カルセインの放出はほとんど起こらないが、35以上で著しくなることがわかった。曇点以上における放出は極めて速く、40においては数秒以内にカルセインが完全に放出された。さらに蛍光法によって、リポソーム膜の構造が、30〜35においてラメラ相からヘキサゴナル相へ転移することが示唆された。この温度領域は、カルセインの放出が促進される温度領域と一致することから、このようなリポソーム膜の構造変化によって、内部に取り込んだ物質の放出が引き起こされたものと考えられる。
この高分子の曇点は、調節することが可能であることから、体温付近で内包物を放出する温度感受性リポソームの調製が可能である。したがって、本研究で調製した温度感受性高分子修飾リポソームは、新しい温度感受性ドラッグデリバリーシステムとなる可能性を有するものと考えられる。

報告書

(1件)
  • 1994 実績報告書

URL: 

公開日: 1994-04-01   更新日: 2016-04-21  

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