研究課題/領域番号 |
06801061
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
仏語・仏文学
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研究機関 | 埼玉大学 |
研究代表者 |
霧生 和夫 埼玉大学, 教養学部, 教授 (60008638)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1995年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1994年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | バルザック / 人間喜劇 / コンコーダンス / バルザツク / テクスト・データベース / FRANTEXT |
研究概要 |
研究課題は「CD-ROMによるバルザックのデータベース」であった。印刷メディアで1万ページ以上になるバルザックの『人間喜劇』のコンコーダンスは、前後コンテクストつきの形では、その約7倍の分量に膨れ上がる。これは出版が不可能であるばかりか、個人用としてもプリント・アウトすることができない量である。当然、CD-ROMのような大容量の記憶メディアが使われるべきである。 ところで、科学研究費交付申請時から、記憶メディアをめぐる環境は一変した。それは大容量光磁気ディスク-MO-の登場である。『人間喜劇』のコンコーダンスは、約210メガバイトであるから、現在急速に普及しつつある230メガバイトのMO1枚にちょうど収まる。また、この媒体は、書き換え可能であるという利点において、CD-ROMに勝る。この利点は、版を重ねる度に誤植などの小さな修正を絶えず加えるべきコンコーダンスにとっては無視できない。 そういう理由で、この2年間の利用環境の変化に応じて、CD-ROMはMOにとって代わられた。MOドライブの価格も急激に低下し、一般のパソコン・ユーザーの間に普及している。 一方、コンコーダンス本体にも、修正を加えて、第2版が完成した。第1版においては生起する語・語形を、単純にアルファベット順に並べてあったが、第2版では、語形をいったんレンマに戻し、レンマを見出し語として、すべての変化形を並べ直した。この作業は、あらゆる正規・不正規の語形変化をともなう文学作品については、相当な大事業であった。多様な動詞変化は当然であるが、『人間喜劇』では正しくないフランスを話す登場人物も少なくない。それらは、当然、動詞変化をレンマ化する既存のプログラムにはかからない。部分的にはすべて手作業でこれを行う必要があった。 こうして第2版が完成し、MO化され、その配布が始まっている。国内のみならず、フランスのパリ市立「バルザック記念館」からも要望が届いている。第2版のための210ページあまりのインデックス(印刷メディア)も完成した。
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