研究課題/領域番号 |
06801066
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
言語学・音声学
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研究機関 | 関西大学 |
研究代表者 |
八島 智子 関西大学, 総合情報学部, 助教授 (60210233)
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研究分担者 |
田中 共子 広島大学, 留学センター, 助手 (40227153)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1996年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
1995年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
1994年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
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キーワード | 異文化適応 / 英語コミュニケーション能力習得 / ソーシャル・スキル / 高校生の留学 / 国際的資質 |
研究概要 |
本研究では、アメリカに留学する日本人の高校生を対象に 1)出発前の英語力、外向的な行動傾向、その他の諸要因が、高校生の異文化適応に影響を与える要因を分析すること、2)英語力の伸長の状況を科学的に明らかにすること、を主目的とし、3年間に渡り多面的に調査した。合計139名の高校生を対象に、出発前、渡航後、2回の質問紙調査、及び種々のテスト(調査の回答、参加は任意)、及び有志に対し、出発前、帰国後の英語インタビューテストを実施した。また、彼らを受け入れたホストファミリー139名に対しても質問紙による調査を行い、そのうち101名より回答を得ることができた。 質問紙を因子分析、重回帰分析、パス解析などの統計手法を用いて分析した結果次の点が明らかとなった。1)出発前に標準テストにより測定した英語力は、「ホストから見た適応」を予測できた。2)外向性は、自己評価の適応や心理的満足度を予測することができた。3)学校においても、ホストにおいても、発話、表出、表現のスキルが(本人評価の)適応や満足度に重要な役割を果たしている。4)スキルの実施度に影響を与えるのは、英語力でなく、外向的行動傾向である。5)過去の海外滞在経験も、一週間を越えるものであれば、その後の異文化適応を助ける要因となる。すなわち、外向的な性格傾向をもつ学生は、積極的な発話、表現に関するソーシャル・スキルを実施することにより、対人関係面の満足を得やすいという、筆者の仮説が基本的に支持された。一方、適応を自分の心理的満足度、安定と捉えるか、他者から見た効果的対人行動と捉えるかにより、適応に影響を与える変数も異なるという新たな知見が得られたことになる。 録音したスピーチデータの詳細分析では、一年間の留学を通し、高校生の「ためらい」現象には大きな変化が見られた。特にサイレントポ-ズの現象をはじめとする発話上の特徴により「流暢さ」が増すことが示された。
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